検査の項目
地域によって若干異なる場合があります。ユーザー車検を受ける前に予め、受検予定の運輸支局に確認してください。
- 同一性の確認
- 外廻り検査
- サイドスリップ検査
- ブレーキ検査
- スピードメータ検査
- ヘッドライト検査
- 排気ガス検査
- 下廻り検査
(1)検査コースに入る前に
タイヤのホイールキャップ、または センターキャップを取り外してください。
(2)同一性の確認
車検証や申請書類の記載内容と、車両が同一であるかを確認します。
自動車のボンネットを開けて、車検証を含む書類を 検査官と呼ばれる職員に提出してください。
下記の2箇所
- 車両
- エンジン
に打刻されている、下記の2つ
- 車台番号
- 原動機型式
から、提出した書類と自動車が同一であるかを確認されます。
(3)外廻り検査
自動車の外観(車体・灯火類など)に問題がないかの確認。
検査官の指示により、外廻り検査を行ってください。
自動車の前方
- ヘッドライトを スモール → 全光 と順番に点灯させる
- ハイビーム・ロービームを切り替える
- ウインカーを左右順番に点灯させる
自動車の後方
検査官はタイヤのホイールナットをハンマーで叩き、打音を通じてナットに緩みがないか確認します。
検査官が自動車の後方へ移動しましたら、下記の5つを行ってください。
- テールランプの点灯
- ブレーキを踏みブレーキランプの点灯
- ギアをリバースへ入れバックランプの点灯
- 再度ウインカーを左右順番に点灯
- ハザードランプを点灯
同一性の確認、外廻り検査に問題がなければ、自動車検査票に押印されます。
(4)サイドスリップ検査
前輪タイヤの横滑り量(直進安定性)の確認。
前輪タイヤの横滑り量[※1]を測定します。
検査コースのラインにタイヤを合わせ、ゆっくりと鉄板の上を走行してください。
この時、ハンドルは切らず真っ直ぐに前進してください。
鉄板の上を通過して、前方の電光表示機に「○」が表示されれば合格です。
(5)ブレーキテスター
前輪、後輪、及び駐車ブレーキの制動力の確認。
サイドスリップ検査の後、一旦停止線で止まり、前方の電光表示機に「ゆっくり前進 前輪停止線で止まる」と表示されるまで待機してください。
表示がされたらラインに合わせゆっくりと前進し、4輪をテスター(ローラー)の上に載せてください。
載せ終わりましたら、ギアはニュートラルへ入れておいてください。
エンジンは切らないでください。
4輪とも指定の位置に載るとテスターが沈み、ブレーキの検査が開始されます。
ブレーキを踏むタイミングは、前方の電光表示機に従ってください。
前後のブレーキ、及び駐車ブレーキの測定後、前方の電光表示機に「○」が表示されれば合格です。
(6)スピードメータ検査
実際の速度と、速度表示機器との誤差の確認。
続けてその場でスピードメータ検査に移行してください。
前方の電光表示機に「40キロでパッシング」と表示されたら、ゆっくりとスピードを上げていってください。この時、ハンドルは真っ直ぐしっかりと握っておいてください。
スピードメータが40キロを指したら、パッシングを行ってください。基準範囲の誤差であれば「○」が表示されます。
(7)ヘッドライトテスター
ヘッドライトの光量、光軸が、基準値内であるかの確認。
続けてその場でヘッドライト検査に移行してください。
電光表示機に指示に従い、ヘッドライトをロービームで点灯させてください。
前方の左右からヘッドライトテスターが現れ、以下の2つ
- ヘッドライトの光量
- 光軸
の測定を開始します。基準範囲内であれば「○」が表示されます。
(8)自動車検査票に記録
電光表示機の指示に従い自動車をテスターから出し、次の停止線まで前進してください。
停止線で自動車を停止させ降車すると、3~6までの検査結果を印字する記録器が設置さてれいます。記録器に自動車検査票を挿入し、記録を行ってください。
(9)排気ガス検査
排出ガスのCO(一酸化炭素)と、HC(炭化水素)の濃度の確認。
続いて排気ガス検査を行ってください。
記録器の横に設置されている、排出ガス検査機器から伸びているプローブを自動車の排気管(マフラーの出口)に差し込んでください。
この検査では、下記の2つ
- 排気ガスに含まれる、CO(一酸化炭素)
- 排気ガスに含まれる、HC(炭化水素)
の濃度を測定しています。
なお、ディーゼル車はこちらの排気ガス検査は行いません。別途、ディーゼル車専用の排気ガス検査を行いますので、検査官の指示に従ってください。
前方の電光表示機に「○」が表示されれば合格です。プローブを抜き出し、元の位置へ戻してください。
(10)自動車検査票に記録
排気ガス検査の結果を印字する記録器に自動車検査票を挿入し、記録を行ってください。
記録が終わりましたら、自動車を前進させてください。
(11)下廻り検査
車両下部の不具合(かじ取り装置・オイル漏れなど)の確認。
ディーゼル車は上記の排気ガス検査は行わず、別途ディーゼル車専用の排気ガス検査を行います。
ゆっくりラインに沿って前進させ、中央が空洞になっている検査機器の「停止位置」にタイヤの前輪を載せ、エンジンを切ってください。
この時ギアは、ニュートラル、もしくはパーキングに入れて下さい。駐車ブレーキは引かないで下さい。
検査が始まると、自動車が左右に揺れ出し、斜め前方の電光表示機に指示が表示されます。その指示に従い、ブレーキを踏んだり、サイドブレーキを引いたりといった操作を行ってください。
電光表示機に「○」が表示されましたら、エンジンを掛け自動車を前進させます。保安基準に適していない不具合等があった場合は、検査官がマイクを通じて、呼び出しがなされます。
(12)自動車検査票に記録
下廻り検査を終え自動車を前進させると、下廻り検査の結果を印字する記録器が設置さてれいます。記録器に自動車検査票を挿入し、記録を行ってください。
検査は以上で終了となります。
(13)総合判定ボックス
検査コース出口の総合判定ボックスに書類一式を提出してください。
こちらで検査の総合判定を行い、問題がなければ自動車検査票の右下「審査結果通知欄」に押印がなされます。
どこかに問題があった場合
自動車検査票に問題箇所の内容が記入されます。
問題箇所の是正を行い、再度受検を行ってください。
1回の検査申請による検査コースへの入場回数は、3回までと制限されています。
関連リンク
- 運輸支局の連絡先の確認運輸支局
- 自動車が車検に受かる状態かのチェックユーザー車検|事前に自動車のチェック
脚注
※1. 横滑り量
直進している間に、どれほど横にずれているかの量です。
タイヤの角度の調整を行うことで、タイヤの偏磨耗(片減り)が減り、安定して直進するようになります。予備検査場(テスター屋さん)でも調整できます。